歴史学科ACTR成果報告書『「丹後の海」の歴史と文化』の刊行
文学部歴史学科では、「京都府立大学文化遺産叢書」第12集として『「丹後の海」の歴史と文化』を刊行しました。
刊行の経緯
本書は2016年度京都府立大学地域貢献型特別研究「「丹後の海」の歴史・文化に関する総合的研究」の研究成果報告書です。なお、この研究課題は「京丹後市域の考古資料を中心とした文化遺産の整理と活用」と共同で実施し、本書にはその成果の一部を含んでいます。
本書の概要
本書は、「丹後の海」というテーマを設定して、12編の論考、4本のコラムを掲載し、丹後の歴史・文化に関してその特質を明らかにしています。京都府・各自治体の職員、資料館・博物館の学芸員、丹後地域の研究を続けてこられた高校教員を中心に、歴史学科のスタッフや卒業生・修了生を加えた多彩なメンバーが執筆を担当しています。詳細は以下の目次をご参照ください。
本書は、府内の各自治体図書館等で閲覧することができます。
編者 藤本 仁文
発行 京都府立大学文学部歴史学科
刊行 2017年3月
頁 242p
刊行にあたって
例言
目次
序章 本書の視角と構成 藤本仁文
第Ⅰ部 環日本海域と「丹後の海」
丹後の海と神仏 小山元孝
コラム「丹後と朝鮮半島」 井上直樹
近世丹後の漁業と若狭湾―「鎖された海」と「開かれた海」― 東 幸代
丹後国久美浜代官所領の御城米船と江戸 山田洋一
幕末維新期宮津三上家の廻船業 藤本仁文
引き揚げと舞鶴 長嶺 睦
第Ⅱ部 「丹後の海」と人々の暮らし
冠島の信仰と大浦三ヶ村 廣瀬邦彦
近世丹後沖の海難事故と地域社会 稲穂将士
コラム「海と川の結節点―由良」 吉野健一
伊根浦への諸国廻船の入津について 吉野健一
近世丹後国加佐郡成生村と漁業―献上・肴米・魚寄― 東 昇
コラム「クジラやイルカの獲れる海―伊根浦―」 吉野健一
第Ⅲ部 「丹後の海」と文化遺産
舞鶴湾から若狭湾・日本海へ―幕末・明治期の廻船関連文書― 小室智子
コラム「岩滝の船主と船名が刻まれた玉垣」 吉野健一
近世・近代の宮津の海上交通と廻船―物質文化の検討を中心― 河森一浩
宮津市府中地区の板碑調査から 菱田哲郎