文学部歴史学科・史学専攻

教員・専攻分野紹介

歴史学科の教員紹介

日本史・日本文化史

横内 裕人[教授]日本中世史

〇研究テーマ

平安時代から室町時代の宗教史を研究しています。目下の関心は、中世を形作った院政期社会における仏教の役割。院政期には京都・奈良の寺社が急成長し、列島各地の在地社会に仏教が浸透します。それはなぜか、という問いの答えを求めて、東アジアの宗教交流を視野に入れながら、寺院・僧侶の宗教活動と権力者の宗教政策を考察しています。

〇受験生へメッセージ

日本中世ゼミでは、東大寺や文化庁での職場経験を活かし、寺社での文化財調査や京都内外で巡検を行います。大学院生との交流を積極的に行っているので、レベルの高い研究に触れることができます。

〇主な著作・論文

『日本中世の仏教と東アジア』塙書房、2008年

共著『京都の中世史2 平氏政権と源平争乱』吉川弘文館、2022年

編著『対馬の渡来版経ー護り伝える東アジアの至宝』勉誠出版、2022年

 

藤本 仁文 [准教授] 日本近世史

〇研究テーマ

徳川将軍による領地宛行・改易・転封・参勤交代・軍役などに注目して、幕藩体制を成り立たせていた徳川将軍権力の特徴について研究しています。現在は、卒業論文で取り組んだ近世都市史研究に戻り、特に日本近世の転換期にあたる宝暦ー天明期を中心に、近代国家・社会の原形が形成されていく過程についても研究いています。

〇受験生へメッセージ

世の中には何となくそう言われているだけで根拠の無いことが沢山あります。高校までのように誰かが言ったことを覚えるのではなく、自分の目や手を使って「本当にわかる」「本当に知る」ということを体験・実感してください。

〇主な著作・論文
『将軍権力と近世国家』(塙書房、2018年) 

「明治三十四年尚泰の葬儀と旧琉球王国」(『京都府立大学文化遺産叢書 第15集 沖縄の宗教・葬送儀礼・戦没者慰霊』(京都府立大学文学部歴史学科、2019年))、近世中期京都における「一円的都市社会」の成立―「新規願」と惣町運動―」(『史林』107巻3号、2024年)

 

 

                                                

 

川瀬 貴也 [教授] 日韓宗教・文化

〇研究テーマ

狭い専門は「日韓近代宗教史」です。具体的には19世紀中葉以降の両国の諸宗教が社会で果たした役割、社会に与えた影響、その独特な思想的意味などを研究しています。近代とは「宗教の影響力が減っていく時代」を指しますが、それでも宗教はなくなりませんでしたし、それどころか新しい宗教もたくさん誕生しました。その存在理由を考えています。

〇受験生へメッセージ

大学は「自分を知的に叩きのめしてくれる先生や先輩、同期、後輩に合う場所」です。まずは広く浅くでいいから視野を広げて、その後の、好きなだけ好きなところを深堀してください。お付き合いします。

〇主な著作・論文
 『植民地朝鮮の宗教と学知―帝国日本の眼差しの構築』青弓社、2009年(単著)
『近代日本宗教史 第四巻 戦争の時代: 昭和初期~敗戦』春秋社、2021年(共著)
『これだけは知っておきたい統一教会問題』東洋経済新報社、2023年(共著)
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池田 さなえ [准教授] 日本近代・現代史

〇研究テーマ

明治期の政治経済史を研究しています。特に、大きな組織の財政構造に関心を持っています。これまでは皇室財産や教団経営などの研究をしてきました。研究を進める中で、バラバラだった社会の人びとを政治的に組織化していく過程に注目するようになり、最近ではこうした組織化の過程を可視化する新しい分析手法を考案したりしています。

〇受験生へメッセージ

「誰もやっていないことを、自分が作り出せる場、それができるのが大学です。誰もやっていないなら、自分が作り出せばいいんです!それが世界に一つのオリジナルな成果になります。それを評価してくれる場所が、ここにはあります。

〇主な著作・論文

『皇室財産の政治史―明治二〇年代の御料地「処分」と宮中・府中』人文書院、2019年

「仏教教団の「近代化」における門信徒の経済的役割―明治期・西本願寺「有力門徒」らによる会社設立」『史学雑誌』第130編第10号、2021年

「明治期日本における政治家ネットワーク形成――品川弥二郎・京都尊攘堂人脈の分析から」『日本研究』第66集、2023年

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東洋史・東洋文化史

井上 直樹 [教授] 東北アジア古代史

〇研究テーマ

現在の中国東北地方から朝鮮半島にかけて勃興した高句麗・百済・新羅・加耶諸国・渤海の歴史や文化、それら諸国と中国・日本との関係についての研究を行っています。なお、近代日本はこれら諸国勃興の地に積極的に進出しましたが、その過程でこれら諸国が近代日本の知識人たちにどのように認識されてきたのかについての研究も行っています。 

〇受験生へメッセージ

高校までの「歴史」とは違い大学での研究は、過去の出来事に新たな光を与えることが求められます。これはそれまでの研究を大きく覆すことにも繋がりますが、これこそが大学での歴史研究の醍醐味だとおもいます。みなさんも是非、チャレンジしてみて下さい。

〇主な著作・論文
『帝国日本と〈満鮮史〉 大陸政策と朝鮮・満州認識』塙書房、2013年
「5世紀後半の百済の王権構造―王号・侯号・太守号と将軍号」『シリーズ〈国立歴史民俗博物館研究叢書〉7 東アジアと倭の眼でみた古墳時代』朝倉書店、2020年
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西洋史・西洋文化史

阿部 拓児 [准教授] 古代ギリシア・小アジア史

〇研究テーマ

私はもともと古代ギリシア史の研究をしていました。アナトリア(小アジア、現在のトルコ)西部には、ギリシア人のコミュニティがあり、紀元前6世紀から4世紀にかけての、彼らの社会や文化を調べていました。その後、ギリシア人が書いたアケメネス朝ペルシア帝国の歴史書、それからペルシア帝国の歴史自体へと関心が移っていきました。

〇受験生へメッセージ

よく言われることですが、高校までの歴史は事実関係の整理、大学での歴史学では史料の読解が重視されます。それだけではなく、大学で歴史学をおこなうには、文章力が求められます。大学に入るまでにできるだけ多くの本を読んで、文章力を磨いてください。


主な著作・論文
『ペルシア帝国と小アジア』京都大学学術出版会、2015年

『クテシアス ペルシア史/インド誌』翻訳、京都大学学術出版会、2019年

『アケメネス朝ペルシア』中央公論新社、2021年

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渡邊  伸 [教授] ドイツ中・近世史

〇研究テーマ

ドイツ宗教改革史、および宗教問題を中心とした中世後期から近代初期の身分制社会の研究 中世ヨーロッパの社会と文化がキリスト教によって彩られていたとすれば、近代は信仰のあり方をめぐる対立から始まったといえるでしょう。その対立の中でもなぜ「ドイツ人の神聖帝国」は消えてしまわなかったのか、その原因を調べています。

〇主な著作・論文
「全体に関わることは、全体で決めるべきだ ―公会議問題から見たドイツ宗教改革の展開―」『思想』1122号、単著、2017年
Luther und die Reformation in internationalen Geschichtskulturen(共著), Braunschweig, 2017
『記憶と忘却のドイツ宗教改革』(共著)ミネルヴァ書房、2017年

 

川分 圭子 [教授] イギリス近代史

〇研究テーマ

イギリス近世・近代・現代を、貿易商人や商社の海外進出・帝国領土での経済活動を中心に研究。特にカリブ地域での砂糖生産、それに携わった商人・商社、現代の現地社会への影響を検討。一方で、イギリス中産階級・上層中産階級のイギリス国内での宗教・社会・政治活動を、やはり近世から近現代を通して研究。

〇受験生へメッセージ

歴史は、宗教・文化から政治・経済、技術など、あらゆる知識が必要な分野です。高校時代にはぜひ歴史以外の勉強や課外活動、習い事なども頑張ってください。すべてが歴史の研究につながります。

〇主な著作・論文

川分圭子『ボディントン家とイギリス近代 ロンドン貿易商1580ー1941』京都大学学術出版会、2017年

川分圭子・堀内真由美編著『カリブ海の旧イギリス領を知るための60章』明石書店2023年

ロン・ハリス著、川分圭子訳『近代イギリスと会社法の発展』南窓社、2013年

 

文化遺産学

菱田 哲郎 [教授] 日本考古学

日本列島の考古学研究、とくに古墳時代から奈良時代にいたる国家形成の過程や地域社会の変容を主題


〇主な著作・論文
『須恵器の系譜』講談社、1996年。
『古代日本 国家形成の考古学』京都大学学術出版会、2006年。

 

諫早 直人 [准教授] 東北アジア考古学

〇研究テーマ

専門は東北アジア考古学で、後1千年紀の中国東北部、朝鮮半島、日本列島を主たるフィールドとしています。馬具や金属工芸品といった広範な地域から出土するモノから、東北アジア各地の古代国家形成に果たした相互交渉の実態を明らかにすべく、日々研究を続けています。またウマのことに関しては時代、地域、研究分野を問わず関心をもっています。

〇受験生へメッセージ

皆さんは、日本史ですか?世界史ですか?受験勉強においてはまったく異なるもので、どちらかを選択すべきものかもしれませんが、私にとってはどちらも同じ、人類史です。大学で日本史・世界史を人類史として学びなおしてみませんか。

〇主な著作・論文
『海を渡った騎馬文化 馬具からみた古代東北アジア』風響社、2010年

『東北アジアにおける騎馬文化の考古学的研究』雄山閣、2012年 

『牧の景観考古学 古墳時代初期馬匹生産とその周辺』六一書房、2023年(編著)              

 

上杉 和央 [准教授] 歴史地理学・文化的景観学

〇研究テーマ

歴史地理学が専門です。なかでも景観史や地図史を得意としており、地域の歴史を景観や地図から読み解く作業に取り組んでいます。また文化財の1カテゴリーである文化的景観の調査や保存活用、そして歴史文化を活かした地域づくりを地域の人たちと一緒におこなっています。

〇受験生へメッセージ

歴史や文化に関する知識を活かして地域社会に貢献したいという方は、文化遺産学コースにぴったりです。ぜひ、柔軟で広い視野を身に着けてください!

〇主な著作・論文
『江戸知識人と地図』京都大学学術出版会、2010年
『地図から読む江戸時代』筑摩書房、2015年
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東   昇 [教授] 文化情報学

〇研究テーマ

日本の近世・近代の古文書を中心に、村や人々の歴史、調査手法、地域における活用などに取り組んでいます。デジタルアーカイブ、WEB、AIなど情報・メディアの利用も考えています。

〇受験生へメッセージ

いま自分の好きなことを突き詰めてみてください。歴史の学び、調査、研究も、そこからはじまります。

〇主な著作・論文
『京都の産物 献上・名物・土産』臨川書店、2023年
『近世の村と地域情報』吉川弘文館、2016年
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岸  泰子 [教授] 建築史

〇研究テーマ

日本の建築や都市の歴史を研究する日本建築史を専門にしています。特に、禁裏(内裏)を中心とした近世京都の都市・建築の特性を明らかにすべく、研究をすすめています。また、文化財をはじめとした歴史的建造物や町並の調査やその保存・活用にも携わっています。

〇受験生へメッセージ

建築史は、建築と歴史、両方を学ぶことのできる学問です。建物をただ「見る」だけではなく「知る」ことができるようになると、その建物がある地域や歴史のみかたが変わってきます。是非、その楽しさを知ってください。

〇主な著作・論文
『近世の禁裏と都市空間』思文閣出版、2014年
『京・まちづくり史』(共著)、昭和堂、2003年

 

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