福知山市で博物館連携のACTR成果報告会を3月11日におこないました
福知山市夜久野町には100基を超す大規模な古代窯跡群である夜久野末窯跡群、丹波最大の横穴式石室をもつ長者森古墳など、重要な遺跡が多数存在しまう。それらに対する調査研究を京都府立大学文学部歴史学科が福知山市文化・スポーツ振興課とともにACTR(「京都府北部のMALUI連携による文化資源を活かした地域づくり」研究代表:東昇)の一環として進めてきましたが、その成果を地域のみなさんに披露することを目的に、成果報告会を地元の中夜久野地区公民館において3月11日に開催しました。
この報告会では、まず文学部歴史学科考古学研究室の学生による成果報告をおこない、調査に参加した学生の目線で遺跡や遺物の重要性をお伝えしました。そして、夜久野町化石・郷土資料館から借用した遺物の展示、また学生たちが作成したポスターの説明、さらに新たに3Dデータを用いた古墳の復元などのメニューを用意し、参加者に楽しんでいただきました。その後、この研究に参加した教員等がパネラーとなり、それぞれの成果を語り合う座談会を実施しました。パネラーとして、文学部歴史学科の諫早直人准教授、共同研究員の仲林篤史氏、生命環境科学研究科の佐々木尚子講師、そして在野の考古学研究者である東昭吾氏、福知山市から文化財保護審議会会長の小滝篤夫氏、文化・スポーツ振興課の松本学博課長補佐、鷲田紀子主査が並び、文学部教授の菱田哲郎が司会を務めました。会場内の参加者からも多くの発言があり、成果に対する地域の関心の高さがうかがえました。最後に近くに所在する長者森古墳の見学を学生の案内でおこないました。
この報告会には約40名の参加があり、その半数以上が地元の中夜久野地区からの参加でした。小さい会場が一杯になり、活発な意見交換ができ、地域の文化財の重要性を認識するよい機会になりました。夜久野末窯跡群の保全や夜久野町立化石・郷土資料館の活用など、今後の取り組みにつながる重要な取り組みになりました。